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建築設計と住宅調査 西埜彰一建築環境研究所 代表 西埜彰一
〒545-0053 大阪市阿倍野区松崎町2-6-30-201 TEL 06-6623-5414 FAX 06-6623-5805
西埜彰一建築環境研究所は、大阪,兵庫,京都,滋賀,奈良,和歌山で、建築設計、住宅設計、リフォーム設計、リフォーム工事、工事監理、欠陥住宅調査、マンション内覧会立会い、第3者監理をおこなっています。どうぞお気軽に、お問い合わせください。

報告書例2(構造欠陥)
欠陥住宅調査
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西埜彰一建築環境研究所

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4.構造確認
 A. 構造確認の手法
  図面の不足および壁内の部材・金物の確認が出来ないことなどから、壁量計算により
  当建物の構造確認をおこないました。   
  
  尚、壁量計算に当たっては、下記の仮定を採用しています。
  
   1.耐力壁は、平面図の筋かい表示部とし、すべて構造用合板を併用している
     もの(壁倍率5.0)とします。
    (壁内センサーにより筋交いの有無を確認したところ、図面通りでした)
  
   2.各階の高さは、標準的な数値としました。
  
 B. 計算
    ○必要な壁長さは次頁の計算表によります。
  
    ○実在の壁長さは
3階   0.9*3*5=13.5m
2階   0.9*4*5=18.0m
1階   0.9*4*5+0.6*4*5=30.0m
 C. 結果
    下表はX方向の「実在する壁長さ」と「必要な壁長さ」を比較したものです。
実在の 風圧による 地震力による
壁長さ 必要壁長さ 必要壁長さ
3階 13.5 8.09 OK 5.12 OK
2階 18 21.87 不足 11.27 OK
1階 30 35.71 不足 15.47 OK
   
   
 D. 結論
    X方向の風圧に対する耐力壁が不足していることが確認されました。
    事実、依頼主は一般的な風でも、建物が大きく揺れることに不安を感じています。
                                         
    当建物が中間検査をクリアしていること、またその申請書(5章参照)に示されている
    建物の大きさより、検査後幾つかの耐力壁を撤去し、Y9〜10間を増築したことは
    安易に想像出来ます。     
    これに起因する小屋組の梁の不足(3章参照)や、本来建物の隅部にあるべき
    火打ち土台がY9にあることなども、構造強度上問題があります。   
                                         
    以上により、当建物には販売施工業者の意図的な工事により発生した「構造上の
    重要な瑕疵」が存在します。     
                                         
    最後に、上記の検討はすべての耐力壁に、構造用合板を併用している最も強度の     
    高い場合のものです。一部または全体に構造用合板が使用されていない場合、
    構造強度は激減します。
    可能であるならば、クロスをはがして構造用合板の使用を確認することをお勧めします。
    また同時に、壁下地を一部撤去して、構造用金物が正しく使用されているか確認する
    ことも重要です。
  
  
  
 E. 改善策
  
    耐力壁の増設は可能ですが、壁・床・天井を部分撤去する大がかりな工事を伴います。
    また、各階に壁が増えるため、間取りが大きく変更される可能性があります。